役員報酬の決め方次第では、会社が潰れてしまう理由

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■目次

役員報酬の決め方
その①:いくら欲しいか・必要か
事前に事業計画・利益見込みを把握する
その②:経営戦略として会社にいくら残しておくべきか
余裕資金を持っておく
資金調達力をつけておく
その③:税負担が少なくなる金額はいくらか
まとめ
 

役員報酬の決め方

役員報酬の金額について、
次の3つの要素について検討していきます。
 
 

■①:いくら欲するのか・必要なのか

中小企業の多くは、いわゆる「オーナー社長」で
株主も社長自身になりますので、実質的には会社のお金=社長のお金です。
なので、役員報酬設定は、一言でいうと「利益が出たお金を、個人と会社にどうやって分けるか」という問題になります。
 
もちろん会社を第一優先に考えるので、税金を払ってでもお金を残しておくことは誰もが理解していると考えています。しかし、
・利益のほとんどを内部留保
法人税を払う
役員報酬は上がらない
では、なんのために働いているのか分からなくなるでしょう。
なので、「頑張って良かった」「来期はもっと利益を出そう」と思える金額設定をすべきです。
 
 
 

■事前に事業計画・利益見込みを把握する

しかし、赤字になる金額設定は注意が必要です。例えば、
「売上見込み1,000万円だけど、役員報酬2,000万円に設定する」
というのは避けるべきです。
 
なので最低限、利益が出る範囲内で金額設定をする必要あります。
そのために年間の事業計画を立て、
おおまかな売上・経費を見積もっておきます。
【考え方の例】
役員報酬をゼロとしたときに、営業利益が3,000万円弱出るのであれば、2,000万円報酬にしても良い」というざっくりと見積もってみるのも良いでしょう。
 

■その②:経営戦略として会社にいくら残しておくべきか

赤字にならない範囲内で自分の欲しい金額を決めたのであれば、
「その金額は、経営戦略上問題ないか」
を考えていきます。つまり、
自分に移す金額と会社に残しておく金額のバランスを考えるのです。
すべて自分の報酬にせずにバランスを考えるべきなのは、
・余裕資金を持っておく
・資金調達力をつける
の2つがとても大切だからです。
 
余裕資金を持っておく「会社はどれくらいキャッシュを持っておくべきか」
という問題については色々な意見がありますが、一般的なのは
「売上3ヵ月分(あるいは固定費6ヵ月分)あれば安心」でしょう。
例えば、固定費6ヵ月分のキャッシュを持っていれば、
コロナショックで半年間売上0になっても耐えられるわけです。
なので、売上1~2ヵ月分のキャッシュしかないのであれば役員報酬を取りすぎるのは危険です。もちろん「手元資金を増やすために、銀行から借りる」という選択肢もありますが、そうであればなおさら役員報酬を抑えて利益を出す必要が出てきます。
 
 

■資金調達力をつけておく

次に重要なのが資金調達力。つまり銀行からの評価です。
役員報酬を増やす=会社の利益が減る』
ということは、
『金融機関からの評価が下がる=お金が借りにくくなる』
ということでもあります。銀行は、会社の返済能力の有無を判断するときに
返済能力=利益 + 減価償却
という算式を使います。「利益と減価償却費の分だけ会社にお金が増えるから、返済に回せる」と考えるわけです。この指標を簡易キャッシュフローといいます。
 
簡易キャッシュフロー=返済能力が多ければ多いほど、
銀行からの評価は高まります。
 
逆に、利益が1500万・減価償却費が500万で、銀行への返済額が年間3,000万円の会社は返済能力を超えて借りてしまっていますから「追加で貸したい」と考える銀行はいないわけです。
 
つまり、役員報酬が高ければ高いほど
会社の利益は減る=返済能力がなくなります。
銀行からの評価が低くなり資金調達力が落ちるのです。
「当社は利益が出ているから借りる必要がない」と思われるかもしれませんが「借りられるときに借りておく」が鉄則です。
 
今は調子が良くても不調は必ずはやってきます。そして、不調になった時には銀行はお金を貸してくれません。なので、調子が良いうちに借りておき、会社の財務基盤を強くしておく必要があります。そのためには、資金調達力=銀行の評価を意識した役員報酬の設定が欠かせません。
 
 

■その③:税負担が少なくなる金額はいくらか

この税負担が少なくなる金額はいくらかについては、①いくら欲しいか②いくら会社に残すべきかに比べて、優先順位は下がります。
 
理由は「最も税負担が安くなる役員報酬の金額」は、実はすごく少ないからです。社会保険、税金を加味した上で、年収500万円〜1000万円前までぐらいが、最も税負担が少なくなります。ですが「2,000万稼いだとして、報酬は500万円でいいよ」とはなかなか思えないものです。
 
確かに、役員報酬は500万円にして、1,500万円は会社に残した方が、
会社・個人のトータルの手残り額が増えますし(税負担が減る)、資金調達力も増すので有利ではありますが、先述したように自分自身のモチベーションが何よりも大切です。
 
 
 

■まとめ

役員報酬は上記でも記述したように、全てを見た上で判断するのが良いでしょう。オーナー社長であれば上記の他にも、利益配当は少なめにして利益配当を多めにするやり方もあります。
 
いずれにせよ、シミュレーションで全体を通して見える化してみたり、または税理士に相談するのも良いでしょう。そういった形で全てを総合して見て、会社にとって最も最善の形にするのがお勧めです。
 
 

■最後に

 
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